株式会社WAKUWAKU
人にしかできないことと、AIに任せられること。WAKUWAKUが日本システムデザインとAgentforceで実現した、合宿免許予約の新しい顧客体験
株式会社WAKUWAKU様
【日本システムデザインを選んでよかった理由】
- 課題に対して「できます」と即答してくれる頼もしさ
- 業務フロー全体を持ち込んでも柔軟に受け止めてくれる懐の深さ
- 国内でも数少ない高度な会話実現に、粘り強く向き合う姿勢
- 「納期」より「カスタマー体験」を一緒に優先してくれた柔軟性
- ミーティング後も議論を重ね、次の定例で解決策を持ってくる誠実さ
【Salesforce Agentforce導入支援サービスの効果】
- AIわかばちゃんによる条件ヒアリングからプラン提案までの一貫対応
- 略語や口語も判別する自然な会話品質
- リリース3日以内の初成約3件という好スタート
- 「AIを利用する側」から「AIを共に育てる側」への意識変化
- LINE問い合わせの夜間・休日対応、取りこぼしの防止
WAKUWAKUについて
お話を伺ったのは、企画開発部の3名。プロジェクト全体の統括を担う久我様(部長・CTO)、実務のフォローにあたる小野様(次長)、そして日本システムデザインとの主な窓口として現場を動かしてきた熊沢様です。
―― はじめに、貴社の事業についてお聞かせください。
久我:弊社は教習所のポータルサイトを作りたいという構想から始まった会社で、私は1人目のエンジニアとして創業に加わりました。
合宿免許さぽっとは、合宿免許の紹介と、紹介したプランに対する予約を行うサービスです。合宿免許は地方に行って2週間ほど泊まりで生活するという特性があります。学生であれば夏休みや入学前など行ける時期が限られていたり、卒業旅行を兼ねて友人と行きたいという方もいます。宿泊へのこだわり、食事、アクセスなど、お客様によって重視するポイントが全く違うんです。単純にサイトで料金を比較するだけではニーズに応えられないので、コーディネーターがお客様と電話で細かくヒアリングして、その方に合ったプランを提案するというところを大事にしてきました。
―― 今回開発した「AIわかばちゃん」は、具体的にどのようなことをしてくれるのでしょうか。
久我:お客様がLINEで「8月に免許を取りたい」「できるだけ安く」「友だちと一緒に行きたい」といったご要望を送ると、AIわかばちゃんが会話しながら条件を聞き取って、全国100校近い教習所の中から合う合宿プランを提案していきます。これまでコーディネーターが電話で担ってきた対応を、AIがLINE上で再現するイメージですね。
増え続ける問い合わせと、応えきれない体制
―― 当時の運用体制の中で、感じていた課題があったのでしょうか?
熊沢:そもそも「合宿免許さぽっと」への問い合わせ経路には電話とLINEがあり、LINEでの問い合わせについても人が返信していました。出社すると多くのLINEが溜まっている状態から1日が始まるんです。お問い合わせが集中する時期には、返信やプラン提案までに時間がかかることもあり、事業が成長していく中で、問い合わせが増えるたびに人を増やして対応するだけでは限界があると感じていました。
そこで考えたのが、AIに任せられる業務を自動化することです。希望条件のヒアリングやプラン提案など、一定のルールに沿って対応できる部分はAIに任せ、お待たせすることなくご相談にお答えする。これは、せっかくお問い合わせいただいたカスタマーには素早く期待にお応えしたい、という想いからです。そして特殊な条件や個別の判断が必要な場面は人が担う。事業の成長とともに対応件数が増えていく中でも、コーディネーター一人ひとりが「本当に人にしかできない仕事」に集中できる体制をつくることが、大きな課題でした。
―― そうした課題に対して、どのような考え方で向き合ってきたのでしょうか。
久我:弊社では「機械ができることはなるべく機械にやらせる。人は、人にしかできない部分にフォーカスする」という考え方を、AIが出てくる前からずっと持っていました。社長は3〜4年前、機械学習が流行っていた頃から「AIでプランを提案するようなことをしたい」とずっと言い続けていたんです。ただ当時の機械学習では、せいぜいプランを選定するところまでしかできず、会話のやり取りを担うエージェントとしては機能しませんでした。学習にかけるコストも捻出できず、数年間「やりたい」という構想だけがある状態が続いていたんです。
その状況を変えたのがAgentforceでした。Salesforceのイベントのアーカイブ動画で見たとき、会話のやり取りそのものをAIに任せられる技術が、ようやく現実的なコストで揃ったと感じました。弊社の場合、カスタマーとの対話は全てSalesforceで管理しています。ただし、LINEだけはLINE管理画面を使って対応していることで業務が分断されていました。その入口であるLINEと直接連携できるかどうかが現実的に使えるかの分かれ目でした。何年も足踏みしていた構想に、初めて具体的な道筋が見えた瞬間でした。
―― 日本システムデザインとの最初の接点を教えてください。
小野:Salesforce社にAgentforce導入について相談したところ、Agentforceの実績がある会社として日本システムデザインさんを紹介していただきました。実際に話を聞いてみたところ「できます」と即答していただきプロジェクトを一緒に進めていくことになりました。
業務フローと向き合い、一緒に設計を詰めた日々
―― プロジェクトはどのように始まったのでしょうか。
熊沢:まずは業務理解のためにコーディネーター業務を網羅的に業務フローとして書き出していました。そのフローをそのまま日本システムデザインさんにお見せして「これを再現したいんですができますか」と相談しました。エリアや免許種別のような基本的な条件は一律でロジック化できるんですが、教習所側の受け入れ制限に該当する特例があったり、親御さんがお子様のために登録されているケースがあったりと、自動提案に至るまでにはかなり多くの分岐の分析が必要でした。一つ一つの分岐に対してどうアプローチするかを分解していく作業に、相当な時間がかかりました。
小野:もう一つこだわったのが、会話の自然さです。合宿免許のお問い合わせは、お客様からのメッセージがとてもラフで、略語や口語も多いんです。それでも、人が読んで理解できる文章ならAIも読めるはずだと考えていました。どんな聞き方をされても、なるべく自然な言葉でスムーズに会話が進むことに強くこだわりました。
久我:セッションが切れると前の会話の文脈が失われてしまうという問題もありました。お客様が数日後に再開したときに「はじめまして」から始まってしまうのは体験として不自然なんですが、これは国内でも前例のない課題でした。日本システムデザインさんに何パターンも案を出していただいて、私たちが一番難易度の高い実現方法を選んでも、それを譲らずに向き合ってくださった。Salesforce社も巻き込んで3社で解決していくという形になっていました。
Salesforce社の方々からも、「Agentforceは一問一答型のシンプルなやり取りを想定して作られている部分が多く、弊社のように複雑な条件分岐を含む高度な会話をここまで実現できている事例は国内でも数少ない」と伺いました。それだけ前例のない挑戦だったからこそ、日本システムデザインさんの粘り強さが際立っていたと思います。
「納期最優先」から「カスタマー体験最優先」へ。プロジェクトの転換点
―― 開発の途中で、大きな方向転換があったとお聞きしました。
熊沢: 当初は2月にスタートして3月にはリリースというイメージで進めていました。ただ3月の時点で私たち自身がお客様になりきって触ってみたら、合宿プランの提案までそもそも至らない、理想とはかなり違う状態 でした。プラン提案の一歩手前で会話が止まってしまったり、ループしてしまうという状況で。
小野:そこで私たちと日本システムデザインさんの間で、率直な対話が始まりました。最初はもちろん「決められた納期の中でどう完成させるか」でPJが進んで行きましたが、私たちはカスタマー体験の質を譲らなかったんです。そんな中、対話を重ねていく中で、日本システムデザインさんも体験の質の重要さを再認識してくださって、一緒に「カスタマー体験の質」も重視した体制になれたんです。BtoCのサービスである以上、会話が少しでも不自然だったりループしてしまうと、お客様はすぐに離脱してしまいます。妥協した内容でのリリースは、私たちにとって選択肢にありませんでした。
熊沢:そこから日本システムデザインさんは、スケジュールを守ること以上に、私たちが本当に実現したい体験に向き合うことを優先してくれました。5月末〜6月にかけて実装方法をガラッと変えて、ほぼ1から作り直していただいたんです。そこから週次の定例のたびに品質がみるみる上がっていきました。一緒に悩んで、一緒に答えを探してもらえたからこそ、この転換ができたと思っています。
―― リリースの判断はどのようにされたんですか。
熊沢:ずっと触り続けて確認し、「もう出せる」と判断できるところまで品質を高めていきました。めちゃくちゃ緊張しましたが、最終的には当初想定していたリリース品質を上回る状態まで持っていけたと思います。そして2026年6月27日、とうとう正式リリースの日を迎えました。
久我:リリース当日、最初はお問い合わせのうち一部だけをAIに任せて、残りは有人対応で様子を見る想定でした。ところが当日の様子を見ていると「もっと任せても大丈夫そうだな」と感じて、AI対応の比率を100%に振り切ってみたんです。それでもきちんと対応できて、リリース3時間後には「このまま100%AIに任せても問題ない」と信頼できるものでしたね。
「AIわかばちゃん:3件」。一緒に作り上げたものが動いた日
―― リリース後、印象的な出来事があればお聞かせください。
熊沢:リリースから3日で、AIわかばちゃん経由での初めての成約が3件出たんです。社内には「誰が何件成約を決めた」がリアルタイムで表示されるモニターがあって、そこに「AIわかばちゃん:3件」と出た瞬間、みんなのテンションが上がりました。コーディネーターの間でも「AIに負けたくない」と前向きに盛り上がる雰囲気が生まれました。
―― コーディネーターの業務や意識にどのような変化がありましたか。
熊沢:これまでLINE対応に使っていた時間を他の業務に充てられるようになりました。より顧客に寄り添ったプラン提案ができる土壌が整ってきたと感じています。
小野:AIが対応するLINEでのやり取りの中で「問い合わせ内容Aに対し、AgentforceはXという対応をしてくれたが、AgentforceがYまで対応してくれたらコーディネーターがスムーズに有人切り替えを受け取れるので改善したい」という声を拾い上げながら一緒に改善していく動きが自然に生まれました。コーディネーターにはアルバイトの学生さんもいますが、それでも「これに困っているんだよね」という声から一緒に改善案を考えるという流れができています。「 AIを利用する側」から「AIと共に育てる側」という意識に変わったのが一番大きな副産物だったと感じています。
―― 日本システムデザインとの関係性について、今どう感じていますか。
熊沢:ミーティングの後に、私たちの知らないところでSalesforce社の方と打ち合わせをしてくださっていたんじゃないかと感じることがよくありました。言われたとおりに作るのではなく、会話の中から「それだったらこう実現できますよね」という提案を重ねてくれた。正解を一緒に探しながら実現方法を模索してくださって、業者的な付き合いというよりパートナー的な関係だったと感じています。
人とAIが生み出す、これからの顧客体験
―― 今後Agentforceを利用して、どのように発展させていきたいですか。
小野:今はプラン提案までをAIが担当して、それ以外を人が担う分業体制ですが、AIわかばちゃんが担当する会話やプラン提案の精度をさらに上げていきたいと思っています。現在は特例に該当するような複雑なお問い合わせは人が対応していますが、今回の成功体験をもとにAIに任せられる範囲を広げていけるよう検討していきたいです。
熊沢:集客の入口部分でもAI活用の余地があると思っているので、企画開発部門やコーディネーター部門、マーケティング部門とも連携しながら改善を進めていきたいと考えています。日本システムデザインさんとも、実際に運用してみてわかった課題を提示するだけでなく、解決に向けて一緒に手を尽くしていける関係を続けていければと思っています。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!
